約半年の闘病を経て、母が旅立ちました。
夏に意識不明に陥ったものの、目覚めた後、看護師から日付けを聞かれると、なぜか毎回「11月」と答えていた母。三途の川を渡りかけて、「渡るのは11月だよ」と追い返され、戻ってきていたのかもしれません。私達が心の準備を整えるための時間を手土産に、引き返してきてくれた母に感謝の気持ちでいっぱいです。
最後の最後まで、母らしい生き方でした。

葬儀は「自宅から送り出したい」という父の強い希望で、田舎でさえだいぶ廃れつつある自宅葬儀。
色々な風習があり、知らぬがためのルール違反をしては、高齢の親戚に注意されたりと子どものとき以来の懐かしい経験もしました。
子供時代と違ったのは、キッチンには女性に交じって40代男性達が立ち、調理したり、弔問客にお茶を出したりしていたという事。70-90代の親戚達も、その光景を誰一人批判することなく、そういう時代かと受け止めているように見えたことも印象的でした。

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70代後半まで50年以上、現役の美容師として働き続け、地域の女性の身だしなみを整えながら、家族の暮らしを支える女性達の話相手を愉しんでいた母。
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「絶対、美容師にはならない」と断り違う仕事を選んだけれど、結果的に、私も女性を支える仕事に就いていました。
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職業は違いますが、母の後を継いで、組織や地域や家庭で他者の暮らしを支えている女性達の話に耳を傾けながら、女性が心身の健康状態を美しく整えられるようなキャリアコンサルティングを続けていこうと思います。
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余談編 介護との両立は突然に──今、働く世代が知っておきたいこと
全17話をともに歩んでくださり、本当にありがとうございました。
「生きる力」「支える力」──
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