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第9話 緩和ケア病棟への転院─限られた時間をどう生きるか

緩和ケア病棟に転院した初日、緩和ケア医から受けた説明は、
「死期が近い人に生じる、段階的な心身の変化」と「退院(他界)後の準備」についてでした。

遠くない未来の話であり、必要な知識であることは理解できるものの、現実を突きつけられると、やはり辛い気持ちがこみ上げてきます。

痛みや苦しみを軽減するため治療方法、それを行うタイミング、
激痛を緩和する処置は最期の会話と引き換えになる可能性が高いこと、
そして、退院後(旅立ち後)の搬送方法や葬儀社については、近いうちに家族で話し合っておいくべきだと教えて頂きました。

「旅立ち」は確実に近づいている。
だからこそ、そばにいる私たちは、ある程度の見通しを持ちながら日々を送る。
それは、後悔の少ないお別れを迎えるために、必要な心構えなのだと、自分に言い聞かせながら、医師の話に耳を傾けました。

重い気持ちは伴うものの、限られた時間を意識できるからこそ、段階的に準備を進めることができる。それはきっと、ありがたいことなのだと思います。

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第10話 期待と不満の向こうにある、生きようとする力

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