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女性の6割が健康課題に無対策|PMS・更年期・月経とキャリアの悩みに企業はどう向き合う?

「女性特有の健康課題」に対し、63.7%の女性が「何も対策をしていない」──これはマイナビキャリアリサーチLab編集部が2023年末に実施した意識調査で明らかになった事実です。

対策を取らない主な理由として挙げられたのは、「面倒だから」「どのように対策すればよいか分からないから」。PMS(月経前症候群)や月経、更年期障害といった日常生活や仕事に支障をきたす可能性のある症状に対しても、十分なケアが行われていない現状が浮かび上がっています。

この背景には、対処法や相談先の情報が行き届いていないということも影響していますが、働きながら対処できる環境も整備されていません。

さらに深刻なのは、21.4%の女性が「健康課題を理由に何かをあきらめた経験がある」と回答していること。その内訳をみると、「正社員として働くこと」(37.3%)、「希望する職種に就くこと」(20.7%)など、「出産・育児」(24.4%)いったキャリア形成に関わる要素が多く、キャリアの選択肢を絶たれている実態が見えてきます。

企業に求められる支援として多かったのは、以下の3点です。

  • 「受診や休暇が取りやすい制度設計」(50.4%)
  • 「上司や職場内の理解・サポート」(29.7%)
  • 「業務分担や人員配置の配慮」(24.7%)

これは単に制度を整えるだけではなく、“心理的安全性”を含む職場風土の見直しが必要であることを示しています。

キャリアコンサルタントとして現場に関わる中で実感するのは、こうした健康課題が「個人の問題」として捉えられがちであることです。「体調不良=自己責任」と見られることへの不安や、「迷惑をかけたくない」という葛藤が、相談や対処をさらに難しくしています。

加えて、月経や更年期といったテーマ自体がタブー視されやすいことも大きな壁です。この“語れなさ”が、職場での支援の遅れや理解不足を生み、結果的にキャリアの断念につながるケースも少なくありません。

だからこそ、“症状を知る”だけでなく、“語れる空気”や“相談できる関係性”を整える支援が、今後ますます重要になると考えています。
女性が健康とキャリアを両立できる社会の実現には、企業と専門職が連携し、柔軟な働き方と選択肢を提供する姿勢が不可欠です。


出典

マイナビニュース(2024年2月21日)
「女性特有の健康課題に、63.7%が“何もしていない”と回答 – キャリアにも影響」
https://news.mynavi.jp/article/20240221-2887943/

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